3月17日



『39堂主人』をお招きしました

『39堂主人』をお招きし『黄昏亭』を開店しました。 彼は我が家で食事をするのが気兼ねらしく、前回は
彼の計画で近くの『ゲストハウス』で会話を楽しんだのですが、私はどうも人中で赤い顔をするのが好きでは
ありませんので今回は強引に我が家での会合を提案しました。                    ・

「12時半にお出でくいださい。 一緒に昼ご飯を食べましょう。 気兼ねされないように私の方からお願い
をしておきます。 アルコールと果物をご持参ください。」とメールを送っていたところ、「了解です。」と
ご返事があり、そして定時のスタートとなりました。                        ・

料理はかねて考えていたように、『海苔巻き』『けんちょう』『白和え』にしました。 『海苔巻き』は芯に
アナゴ、チクワ、カニカマ、ニンジン、ほうれん草を使いました。 しかしこんな写真を乗っけていいのかな
ぁ、芯は中心に収まらず不細工そのもの、なによりご飯粒があちこちにくっ付き、切り口は均等ではなく、し
かも本当に見てくれが悪い。 ではあっても彼は美味しそうに平らげておられましたので、お味の方はそんな
にひどくはなかったでしょうか。 あるいはまぁ余り恥をかかせてはと慮っておくれだったか。 すみません
、もう少し勉強します。                                     ・


『けんちょう』は手羽元、大根、里芋、ニンジン、それに豆腐、これらを『菩薩流そばつゆ』と砂糖、料理酒
みりんで少々甘辛く煮ます。「これが『けんちょう』で、山口県西部の郷土料理だよ。」と紹介すると、「ワ
シも山口県西部の出じゃが知らんなぁ。 知り合いにも聞いてみるわい。」と言っておられました。 彼は『
周防』の出身なので、或いは『長門』に限られた郷土料理なのかも知れません。 「我が家ではこういう根菜
の煮物は出てこんなぁ。」といいながら美味しそうに食べてござった。 これも盛り付けは最低でした。 ・

『白和え』は春らしく『菜の花』にしました。 豆腐と混ぜてしまおうかと迷ったのですが、折角の『菜の花
』なので花びらが隠れないように盛り付けておいて、後で豆腐と混ぜ合わせて食べて頂くようにしました。・
こういう『白和え』の盛り付けがあるのかどうかは分かりません。 「この『菜の花』は何分くらいゆでたん
か?」と聞かれましたので、「電子レンジ300Wで2分だよ。」と答えると少々驚かれたご様子でした。・

言い訳をすると、これはわたし用の盛り付けでしたので、かなりいい加減なところがあります。 それぞれに
反省点はありましたが、まぁそこそこの料理が出来たのではないかと思ってます。           ・

それから私たちの会話は『農業』『仏教』『ウクライナ情勢』へと向かっていきました。 彼も私も『浄土真
宗』の門徒なのですが、お互いに『禅』に興味を持って、彼は特に『道元』に傾倒しています。 この話しに
なると、なかなか彼の知識についていけません。 それで、以前読んでいた『道元のことば・正法眼蔵随聞記
に聞く』(NHKこころの時代)を読み返してみたりしたのですが、やはりかなり難解です。 しかして今日
も終始聞き役でした。                                      ・

『ウクライナ情勢』の行く末は私達には想像もできませんが、何にしても早く平穏な日々が戻って欲しいもの
です。 幼い子供たちをはじめ、沢山の大切な命が今も失われています。 本当に痛ましい出来事です。 こ
れが独裁国家の醜悪さですね。                                  ・

その事について私たちが話した内容は、お互いの意見を交えて大要次のようなものでした。 或いは私の意見
が強く入りすぎたかも知れません。                                ・

橋洋一教授の研究(第二次世界大戦後の38件の戦争、更には過去300年間の戦争の分析)によると、戦
争に至る大きな要因は3つあって、それれは、@相対的な軍事力の差が大きい 。A他国との強い同盟関係が
ない。 B相手国の民主主義指数が低い。 の3つの条件に当てはまれば戦争に至る危険性が高いといわれて
います。 秀逸な分析です。                                   ・

これに照らしてウクライナとロシアの関係を考察すれば、@軍事力は圧倒的におロシアが優勢(核保有国)。
Aウクライナは他国と同盟関係にない。(NATOと同盟関係にない) Bある研究によればロシアの民主主
義指数は167ケ国中147位で最も低いクラス。(独裁国家は戦争を起こす確率が高い) これを先の分析
に照らせば、この闘いは起こるべくして起きたといえます。                     ・

もし、@ウクライナが核を放棄していなければ(ブダペスト合意により廃棄)、ANATOとの同盟関係があ
れば、Bたとえロシアの民主主義指数が最低であったとしても、おそらくこの戦争は回避できていた、その蓋
然性が高い。                                          ・

さてそこでウクライナの現状に鑑みて、我が国のおかれた立場を考察すれば、@中国との軍事力の差は相当に
大きい。(日本は核を持たないばかりか、憲法9条でがんじがらめに縛られている。) Aアメリカと同盟関
係にある。 ただし核保有国の侵略に対して日米同盟が機能するかどうかは分からない。(今回のアメリカの
対応から)。 B中国の民主主義指数はロシアより更に低い。 ということは我が国の現状は非常に危険な状
態にあると考えられます。                                    ・

さすれば、いま我が国がやらなければならないことは、@獰猛な周辺国を凌駕するだけの軍事力を持つこと。
A同盟関係を更に強化することに尽きます。 軍事力は他国に脅威与えるほどのものではなく、他国が我が国
を攻撃しようという意思を打ち砕く程度の防衛力で十分です。 どのように同盟関係を強くするか? これは
相手国があることですからなかなか難しい課題です。 橋教授によれば、核シェアリングは核の共同管理に
なるので相手を逃がさない方法の1つだと言われます。 また日英同盟とかNATOとかAUKUSなどと、
同盟関係を増やすのもいい方法かもしれません。 悲惨な属国化を回避するため「検討します。」等と悠長な
ことを言っていないで一刻もはやく護れる国としての体制を整えなければならないと考えます。     ・

今まで核戦力を持つことは議論さえタブー視されてきました。 また憲法の改正議論も憲法審査会で始まるに
は始まっていますが、とても9条の改正に及ぶ状況ではありませんでした。 しかしウクライナへの侵略の実
態を見て、明らかに民意が変わってきたと感じられます。 『核シェアリング』さえも超党派で議論される気
運にあります。 「憲法9条があれば我が国の平和は護られる。」・・・左翼活動家や左派メディアは長らく
このような主張を繰り広げてきました。 教育現場もしかりです。 しかし、そういう『お花畑』のような論
はこの度の侵略戦争で完全に瓦解しました。 やっとまともな国になりつつあります。         ・

祖国防衛のために今なすべきことは何か? 私見はありますが、ここでは言いません。 やゝ私からの一方的
な議論になったかも知れませんが、彼も祖国防衛の意識は高いと感じました。 祖国防衛意識(そのためなら
戦うという人の割合)の我が国のレベルは僅かに13%、一方ウクライナは80%を超えているといわれてい
ます。 戦後76年間、いかに我が国が『お花畑』状態であったか、また隣国からのプロパガンダに操られて
いたか、dupesが多かったか。 この度の侵略戦争を奇貨として一人一人が今こそ我が国の行く末につい
て真剣に考えなくてはならないと、かなり熱の入った議論でした。                  ・

『農業』については、これは彼の独壇場でした。 彼はよく本を読みますし、経験に根ざした知見もとても高
いです。 「先日頂いた白菜やほうれん草、ニンジンなどどれも大きさもさることながら『ガタイ』がとても
しっかりしていました。 何か秘訣はあるのですか?」とお尋ねすると、「最近では3Kということを考えて
いる。 苦土石灰、牡蠣殻、珪酸カルシュームのことだが、差し上げたそれらは全てこの3Kのみで育てたも
のだ。」と言っていました。 今年は更にマスクメロンにも挑戦したいとも。 そして「60代には60代の
70代には70代の学びがある。」と言い残して去って行きました。                 ・













































1月 2日


『39堂主人』をお招きしました

『39堂主人』をお迎えし、今年初の『黄昏亭』を開店しました。 今回の『黄昏亭』はむしろ彼の提案で、
それも『茶話会』の積りだったのですが、ちょっと様子が変わりました。 「茶菓子はわしが持参する。」と
前もってメールがありましたので私はコーヒーを準備すればよいのだと思っていました。 ところが、お土産
は『柿の種』と『裂きイカ』で、さらに甘口の『大吟醸』の付録が付いていました。          ・

従って、結局『柿の種』と『裂きイカ』をあてに『小宴会』となった次第でした。 そして恒例の会話は『柿
の種』の蘊蓄から始まりました。 日本語の習得に来ているフランス人女性が日本の男性と結婚し、初めて知
った『柿の種』の美味しさに圧倒されてこれを日本土産として故国に持ち帰ったそうです。 これを食べたフ
ランス人はその美味しさに一様に驚いたそうで、これがその『柿の種』なのだといいます。 そうなの、なら
ば心して頂かずばなるまい。                                   ・

で結局『箱根駅伝』が終わった頃から、宵闇が訪れるまで長々と話しました。 いまここでその内容の全てを
つまびらかにすることはできません。 余りにも小難しい多くの話題が、しかも場合によって脈絡もなく続き
ましたので、私の頭では整理しきれていません。 また改めて彼に確認しなければいけないことも沢山ありま
す。 後学のために是非そうしたいと思っています。                        ・

特に『道元膳師』に心酔している彼の話は時に私の理解を超えていきます。 『達磨大師につながる中国禅の
五祖『弘忍』から伝法衣を授けられ六祖となった『慧能』が中国禅の『南宗』を開いた。 『道元』は入宋し
その南宗の中国禅を日本に招来し『曹洞宗』永平寺を開山した。』というようなお話し。 こうなったら彼の
言う塩谷文雄の分かりやすい『正法眼蔵』(彼曰く)を読破し仏法の眼目を悟らなければなりますまい。 ・

『道元禅師』に関してはこんな言葉も聞きました。 『他は是吾にあらず』 これもおそらく『正法眼蔵』に
でてくる言葉なのでしょうが、『人が自分を肯定できるのは、自分のやるべきことを行えているときである。
』そんな、まぁ意味深長な言葉らしいのですが、これも一つの禅の考え方なのだそうです。       ・

『いかに生きるべきか』といういことも話しました。 知覧に行って、若くして散っていった『特攻隊員』の
手記を読んだそうです。 そして思ったことは、こうして感謝や覚悟を述べているが、実は死ぬということに
恐れや疑問を持ちながら『死を無理強いされる』という思いもあったのではないか、それが人としての偽らざ
る気持ちだったのではないかと考えたといいます。 う〜ん! そうなんかなぁ。 死を恐れる気持ちや命を
惜しむ思いは当然あったろうと思うけれど、死の切所に立った時、我が命を捨てることに意味を見出せなけれ
ば人はなかなか死ねないんじゃないかと、私はそんなことを考え話しました。             ・

このような、私の解釈は、笑って聞き流して頂ければと思います。 まだまだ多くの話がありましたが、これ
くらいで勘弁していただきます。 それで最後に彼が言った言葉は「こういう話をまともに議論できる人はな
かなかいない。 今のところお前だけだ。」なのだそうです。 有難いお言葉ですが、これが『価値観の合う
いい友達』ということかも知れません。 こんなところで今回は勘弁してください。          ・