12月17日


弥山に登りました

「年末のガイドが気にはなるけど、ギターの発表会が終わったら一度登ってこよう。」と思っていました。 ただ、予定をは
っきりと決めていた訳ではありません。 いつもファジーなのですが、9時からのリスニング、10時からのギターレッスン
を終えたとき、「どうせジムに行くんだったら登山も同じ。」と考えて準備を始めました。 11時半過ぎだったかな。 ・

例によって宮島口まで歩き、コンビニでアンパンとスポーツドリンクを買ってフェリーに乗りました。 先日宮島口までの距
離を測ってみましたが、予測通り3.5kmありました。 従って30分では歩き切れなかったと思います。 フェリーを待
つ間は待合室に籠って冷たい風を避けました。 遠くの山には白く雪が流れていました。               ・

いつものように町屋通りを抜けて厳島神社の裏手に出ようと思っていましたが、「それでは世の中の動きが掴めぬ。」と大そ
うなことを考えて商店街を歩いてみました。 一時のことを思うと観光客は激減していました。 それでも外国人の姿はとて
も多いです。 特に若者が多いように感じました。                                ・

今日は迷うことなく『もみじ谷コース』を登り、下りは『大聖院コース』あるいは再び『もみじ谷コース』を辿ることにしま
した。 『もみじ谷』はすっかり冬景色で紅葉の名残りはありません。 橋を渡って『もみじ谷』の奥から登山道に取りつき
ます。 「こんなに小さな島で奥深くもないのに、この水量はどうだろう。」などとせせらぎを楽しみながら沢に沿って登っ
ていきます。                                                 ・

6号堰堤だったかな、最後の堰堤を越えてから道は急に険しくなります。 長い石段を登りながら見上げると、見上げた先に
更に石段が続いています。 「フロリダから来られた方がこの辺りで息が上がって、遂には水を切らしてしまったなぁ。」な
どと懐かしく思い出しながら更に登っていきました。 ここからが正念場というところです。             ・

 

登り切って峠に至ると、右方面が弥山山頂、左方面がケーブルカーのターミナル獅子岩です。 こんな『道しるべ』がありま
すからよもや迷うことはありません。 後は一本道。                               ・

 

ここからははルンルンで、眼下の絶景を楽しみながら頂上を目指します。 今日は空気がよく澄んでいて、遠望がきき、こと
のほか島々が綺麗に見えました。 左が奈佐美島、中央が岸根鼻、右の小さな三角がチヌ釣りのメッカ小黒神島です。  ・

 

弥山本堂、霊火堂に至り、更に三鬼堂脇を経由して奇岩・大石に改めて驚きながら文字通り『くぐり岩』を潜って頂上に至り
ます。 裏に回ってみると、右の岩は左の大岩にただ一点で支えられているのが分かります。 何とも不思議な造形です。・
上から下って来る人がたまに頭を打つのをみます。 登り方面から見ると右側の天井が低くなっていて、うっかりしていると
ガツーン!ときます。 まぁ、痛くても笑う以外にないですね。                          ・

 

頂上からの眺めは伊藤博文が称えたように、「日本三景厳島の神髄は弥山山頂からの眺めにあり。」でしょう。 まさに36
0度のパノラマ・ビューです。 北方面に目をやれば山なみに沿って降雪のカーテンがゆるゆると流れていきます。 極楽寺
山辺りにも白くカーテンがかかっていました。 時に強風がここまで飛雪を運んできます。 あっという間に身体が冷えてい
きました。                                                  ・

 


そさくさとアンパンを齧り、急ぎ大日堂方面に下ります。 途中に『干満岩』があります。 大きな岩の背丈くらいの位置に
小さな穴があって、この中に水が溜まっています。 この水が満潮時には増え、干潮時には干上がると言われていて、しかも
塩分を含んでいるそうで、弥山の七不思議の1つに数えられています。 辛いかどうか、私は試してみたことはありません。
七不思議というものは大にして眉唾が多いですから。                               ・

 

そして大日堂前の長い石段を下って再度『霊火堂』に至り、暫く『菩薩様』と話し、予定通り『もみじ谷』ルートを下りまし
た。 寒い中身体は固くなりがちでしたが、特に膝にこたえるということはありませんでした。            ・




















































11月19日



極楽寺山に登りました

11月19日、Mr.Texanと極楽寺山に登ってきました。 極楽寺山は廿日市市と広島市佐伯区の境にそびえる標
高693mのとても眺めのいい山で、高さも手ごろですから熟年さんには人気の高いハイキングコースになっているよう
です。                                                  ・

頂上には『広島新四国88ケ所霊場』7番札所の『真言宗極楽寺』があり、千手観世音菩薩が祀られています。 登山道
は廿日市側から6コース、佐伯区側から4コースがあり、これらはいずれも『極楽寺』への参拝道になっています。 そ
の他にもあまたのコース(高圧線の保守道で曖昧な部分が多いようです。)があると聞いています。 今回登った『平良
ルート』は極楽寺への表参道で、とてもよく整備されていました。                       ・

登山口は下平良の民家の庭先ですが、現在は工事のため少し位置が変わっています。 『登山口う回路』の看板が出てい
ました。 ここから一旦民家の裏側に回り込みおおきく削り取られた山裾の急な法面の端から取りつきます。 そしてま
ず小山を越えて山陽自動車道にかかる陸橋を渡り本格的に山中に分け入ります。                 ・

所々に急坂はありますが、まあ登りやすいルートでした。 ルートでは沢山の人に出会いました。 私は10時に宮内串
戸駅でMr.Texanと落ち合い、途中で食料を仕入れて登り始めましたので、山中に入った頃は既に11時前後だっ
たろうと思います。 暫く登るうちにどんどん人が下ってきました。 まぁウィークデイですから当然と言えば当然なの
ですが、皆さん一様に熟年さんでした。                                   ・

チリーンと澄んだベア・ベルを響かせながら下ってこられます。 圧倒的にご婦人が多い。 元気がおよろしいですね。
それにリッチな方々なのでしょう、皆さん立派な装備をお召でいらっしゃいます。 「日本人はスタイルから入るみたい
だからなぁ。」とMr.Texanが呟きました。 それに比べると私たちの服装は実にみすぼらしいものでした。 ・

そのベア・ベルですが、頂上付近に「熊の目撃情報があります。 気を付けて下さい。」という看板がありました。 最
近では里山で見かけることもままあるようです。 次回登る時には少なくともベア・ベルは準備しようと思っています。
それと単独行動は出来るだけ避けた方がよさそうです。 猪も多いようです。 登山道の脇にも随所に掘り返した跡が見
られます。 ミミズを漁っているのでしょうか。 猪もいきなり出会うと危険です。 「刺激しないように」というアド
バイスもありました。                                           ・

   

登った『平良ルート』ですが、先にも述べたように極楽寺への表参道になっていますのでとてもよく整備されていて、特
に危険ケ所はありません。 所々に土留めの丸太がありますが、弥山登山道の石段に比べれば楽なものです。 ほとんど
尾根筋を登っていきますが、眺望はそれほどよくありません。 でも所々に絶景ポイントがあって、宮島越しに更に海が
望めたり、眼下に広がる広島湾が陽光に輝く様子を楽しめます。 Mr.Texanは紅葉を期待していたようですが、
ほとんどが常緑樹で、稀に木々の合間に紅葉を見る程度でした。                        ・

頂上は693mです。 辺りは『展望広場』となっていますが、眺望はほぼありません。 頂上の標識とrest ho
useがあるのみです。 極楽寺入口の駐車場から参拝道の入り口を左にとって丸太造りの急な坂道を200m程登りま
す。 まぁ「取り敢えず頂上に立った」という自己満足程度のものでした。                   ・

 

それから極楽寺にお参りしました。 本堂は1560年に毛利元就によって再興したといわれ、県の重要文化財に指定さ
れています。 かなり詫びていて、唐様式の流線にも特徴があります。 阿弥陀堂には阿弥陀如来大仏が安置されていま
す。 堂内に入ると高さ8m、横幅5.5mの木造としては最大級の大仏様がグァーン!と目に飛び込んできます。 一
見の価値があります。                                           ・

寺務所の脇を少し下ると展望台があります。 広島市街、廿日市市街、広島湾一帯、宮島を一望することができます。・
また晴れた日には四国連山を遠望できます。 今日もうっすらと見えていました。 更に少し下ると登山道は二股に分か
れていて、左手に取ると楽々園、或は佐方方面に下っていきます。                       ・

さぁ、この道を辿って楽々園まで下り、『ほの湯』で汗を流してどこかで喉を潤そうと考えていたらMr.Texanが
キャンプ場を見たいといいだしました。 行ったり来たりになりましたが、一旦駐車場まで引き返し車道を下って『蛇の
池』周辺を歩いてみました。 キャンプ用の水道、炊事場、シャワー、テントなどがよく整備されていますし、管理棟も
しっかりしています。 『蛇の池』の水連は有名で、廿日市市のフォトコンテストのモチーフにもなっています。  ・

 

「来年はここでキャンプをやるかねぇ。」とMr.Texanに提案すると、「どこか他にしよう。 お前は車を持って
いるだろう。 どこか探してみてくれ。」と言います。 また厄介なことを。 「しかし、常設テントは初めて見た。・
これは便利そうだなぁ。」とまんざらでもなかったようでした。                        ・

そして下り。 再び極楽寺の境内を通って『佐方ルート』を取ります。 『平良ルート』とは違ってこのルートはかなり
厳しいです。 JRの車窓、或は西広島バイパスからも見ることができますが、中腹に海上保安庁の反射板があります。
頂上からそこまでは石段につぐ石段になっておりかなり急です。 また鉄製の沢渡りの急な長い階段があったりして、下
りもさることながら登りだと相当にきついことになりそうです。 誘われたらパスしておきましょう。       ・

反射板を過ぎると道は穏やかになり、小さな沢を渡ったり杉木立の中を歩いたりしながら『山陽自動車道』に至ります。
更に下って西広島バイパスに至るのですが、ここから楽々園の街中まではかなり遠いです。 石段を下ってきた脚には相
当に堪えます。 そこで山陽女子大学前から電車に乗って一駅、やっと楽々園にたどり着きました。        ・

そして『ほの湯』でゆっくりとお風呂を浴びて国道沿いの居酒屋に入り喉を潤しました。 今日はサービスデーで、お酒
はすべて100円均一、ラッキーでした。 ただ、Mr.Texanはこれから帰って『ソフトウェア』の勉強をするそ
うで、「三杯まではいいが、四杯になると眠くなる。」と適当なところで〆ました。 今回はこんな登山でした。  ・































































10月 9日



弥山に登りました

話しが前後します。 山頂を経由し大聖院ルート方面に下って仁王門に至りました。 ここでスパッツを脱ぎ捨てようと
傍らの椅子に腰掛けたところ、先行していた一組のご婦人に声を掛けられました。 いい音色の鈴をリュックに括り付け
ていましたので、きっとあちこちの山歩きを楽しんでいる方々なのでしょう。                  ・

「大元ルートを歩いたことがありますか?」 「ええ何度も。」 「どんなルートでしょう? 厳しいですか?」 「三
つのルートの内では一番長いルートです。 同じように石段は多いですが、原生林の雰囲気がとてもいいルートですよ。
」 「道に迷うことはありませんか?」 「一本道ですから迷うことはありません。 ただ、マムシには気を付けてくだ
さい。」「えっ! 沢山いるんですか?」 「いると言われています。 でも私は見たことはありません。 念のためで
す。 それと16丁目の真下に『風吹岩』というのがありますから見てください。 地際の洞からエアコンのように冷気
が噴出しています。」 そこまで話すとご婦人方は礼を述べて出発していかれました。              ・

私はそこでゆっくりとスパッツを外しました。 『大聖院ルート』を下るならヘビ除けのスパッツは不要です。 ところ
でコイツ、何だか冷たいと思っていましたが、スパッツの内側は汗で相当に濡れていました。 ゴアテックスなのに内側
に汗が溜まるなんて。 「やっぱりあの店はおかしいんじゃぁないかなぁ」と思ったりします。 イタリア製の登山靴ス
カルパは足に喰い込み、危うく足を壊してしまうところでしたし、スティックはみじか過ぎて下りでは役に立たない。・
それに通気性の悪いゴアテックスだなんて。                                 ・

さて出発。 速足で下っていきます。 前回の下りである程度連続性を持たせて下る方が(私にとっては)膝への負担が
少ないことに気付き、転倒を警戒しながらも速足で膝への負担を軽減します。 沢渡りまで下った時、二人のご婦人を見
ました。 「確かあの服装だったよなぁ」と思いながら更に下ると聞き覚えのあるあの鈴の音を聞きました。    ・

「おや! 大元コースを下るんじゃぁなかったんですか?」と問うと、「ここは確か大聖院コースじゃったよねぇ。 大
元コースへはどこから入るんじゃろう、と話しながらここまで下りました。」 「えっ! 標識を見なかったの? 仁王
門からまっすぐに進むといったでしょう。 大きな看板もあるけど、それも見なかった?」 「いえ、標識には気づきま
せんでした。 いつまでたっても『風吹岩』がみえんねぇ、と話しながらここまで来ました。」 「それはごめんねぇ、
もっとちゃんと教えてあげればよかった。 でもここまで下ったら大元コースは諦めて、休憩所から厳島神社を俯瞰して
下さい。」と言って先に進みました。 標識も確かめないなんて、深い山だったら遭難かなぁ。          ・

今朝もいつものように洗濯物を干し、いつものように服装を整え、いつものように宮島口まで歩き、いつものようにコン
ビニでアンパンとスポーツドリンクを買ってフェリーに乗りました。 そしていつものように迷い、いつものように自分
を叱咤し、今日は博奕尾ルートを登ることにしました。                            ・

博奕尾ルートは若干32歳のMr.Texanでさえ、しかも下りでさえ、「大聖院ルートも、もみじ谷ルートも石段が
多くて嫌だ。 でも博奕尾ルートは長くてもっと嫌だ。」と言わしめました。 もみじ谷の北側を大きく迂回して登りま
す。 もし弥山に登ることがあったら、展望台からケーブルカーの終点『獅子岩』から左に続く長い稜線を眺めてみて下
さい。 それが『博奕尾ルート』です。                                   ・

それでも稜線から望む眺望は人々を惹きつけます。 腰が引けつつも、それでも私はこのコースが好きです。 木々の間
に間に垣間見る厳島神社、千畳閣・五重塔、足下の絵の島、奈佐美島、江田島、牡蠣筏、遠く望む広島市街、脚を止めれ
ば時も疲れも忘れます。                                          ・

   

でも、もし博奕尾ルートを登るなら気を付けて頂きたいことが2つあります。 まず、ルートと見紛う脇道が随所にあり
ます。 下の写真では登山道はまっすぐに伸びているように見えますが、手前左に本道があります。 このように行く手
に木切れでガードが作ってあったらそこには進まないでください。 この先がどうなっているのか確認はしていませんが
踏み外すと宮島の尾根は結構急峻です。                                   ・

 

ここは私が一番気を付けている場所です。 大きな岩の脇を通ってその向こうをよじ登り(下りルート)ます。 松の根
に掴まりながら登りますが、左は写真に見るように急激に落ち込んでいます。 足を滑らせればまさに谷底に向かって転
げ落ちることになります。 非公式のルートにはこういう危険が潜んでいることを知っておいて頂きたいと思います。・

 

今日はこうして博奕尾ルートを登り、山頂を経由して大聖院ルートを下りました。 博奕尾ルートは観光協会が推奨する
公式ルートではありませんからルートの詳述は避けています。                         ・






































9月29日



弥山に登りました

パンツのゴムの上にプックリと膨らんだものを見て、またまた「このままでは取り返しがつかないことになる。」と覚悟
を決めました。 何度同じ覚悟を繰り返すのでしょう。 楽に流されるは易く、覚悟の持続はし難いことです。 世の中
にはその覚悟を持続して成功する人もいますが、私は平凡ですから。                      ・

今日はその覚悟の手始めに『弥山』に登ってきました。 朝食を済ませ、10時を回ってから出発、宮島口まで歩き、コ
ンビニでスポーツドリンクとアンパンを買ってフェリーに乗りました。 特にどのコースを歩くというあてもなく、脚の
むくままに大元公園に至りました。 気持ちのどこかに『庇岩』のことが残っていたのかも知れません。      ・

宮島は毛利元就と陶晴賢が中国地方の覇権をかけて争った古戦場です。 勝利をおさめた毛利氏は、戦いの後で戦国時代
以降荒れ果てていた厳島神社を再興し宮島に名を残しました。 一方陶氏は僅かに『駒ヶ林』と『血仏』に敗者としてそ
の名をとどめ、陶晴賢はその終焉の地さえはっきりしていません。                       ・

その『血仏』は大元公園の片隅にあります。 案内板には『この石塔は墓ではなく明暦4年(1658)に建てられた供
養塔で、合戦の後永らく陶軍の敗死者の血が流れたと伝えられるため、土地の人はこれを『血仏』と呼んでいる。』とあ
ります。 夜襲・壊乱のあと、大元の地で陣を立て直そうとしてならなかった陶晴賢の無念が窺えます。      ・

登山口の四阿、ここで旅装を整えようと思っていましたが、気を付けて下さい、『スズメバチ』がいて立ち入り禁止にな
っています。 『マムシ』はいても『熊』はいない。 「まあ、安心して登れる山だ。」と思っていましたが、まさか『
こいつ』がいようとは。                                          ・

以前紹介した『風吹岩』は『16丁目』の真下にあります。 『大師堂』の左側、大岩の裂け目から冷たい風を吹き出し
ています。 大岩は高さ20mもあるでしょうか、苔むしていて辺りを凌ぐ存在感があります。 ここまで登れば峠まで
あと一歩、見上げれば木々の隙間に女神さまの鼻孔を望みます。                        ・

峠から暫く下ると『庇岩』(私が勝手に呼んでいます)の下をくぐります。 大きな岩が微妙にバランスを保って登山道
を覆っています。 意識し始めてから「こいつはちょっとヤバイのではないか。」と思っています。 支えになっている
部分にはクラックがありますし、山側の岩とは分離しています。 庇の奥にはお大師様が祀ってありますが、さて急な雨
の時、あなたはここで雨宿りができますでしょうか?                             ・

   

14丁目からの登りはヨタヨタでした。 見るも無残な情けない姿だったろうと思います。 峠を越え、暫く下った後、
仁王門からの登りはさしたることもなく、『霊火堂』で暫く『菩薩様』と話したあとで山頂を経由して『もみじ谷コース
』を下りました。 下りは結構スタスタだったと思います。 道すがら多くのnon−Japaneseとすれ違いまし
た。 いや、ことごとくがnon−Japaneseでした。                         ・

不思議に皆さんwestern countryの方々でした。 新興大国の方々は山登りを好まんのかねぇ。 山を下
って、「さて宮島口から我が家までを歩くかどうか。」と考えました。 ところが、フェリーから降りようと席を立った
途端、靴擦れに気付き、安易に電車に乗ってしまいました。 これが私の覚悟の程度ということでしょう。     ・
































8月2日



『大元コース』経由・弥山登山

昨夜、宿に帰ってMr.Texanとビールを飲みながら今日のルートを検討しました。 『駒ヶ林直攀コース』の話も
出ましたが、『アレ』を見ようということになり、結局『大元コース』を登ることにしました。 バスで宮島港まで送っ
て貰い、不要な荷物をコインロッカーに預けて先ずは朝食を探します。 宿は素泊まりにしておいて、マーケットで『お
むすび』を仕入れて『大元神社』で朝食を摂るつもりでいました。                       ・

町屋通りから少し山手に入ると、島の人達の生活物資を商っている小店があり、お弁当やパン、それに飲料水なども揃い
ます。(以前利用したことがある) ・・・と思ったのですが、何とclosed,いやいやwent out of・
businessなのです。 固く閉ざされた硝子戸の中には何もありません。 当てがはずれましたが、観光協会から
「2〜3軒はある」と聞いていましたので他の店を探してみました。 でもそれらしい店は見当たりません。 土地の人
に聞いてみると、「今日は日曜日だからどこも開いていませんよ。」と絶望的なことを言います。 最悪!     ・

町屋通りと商店街を散々歩き回って、結局港まで引き返し、いま開店したばかりの喫茶店を見付けて、やっとのことでモ
ーニングサービスにありつきました。 そして港の売店で昼食用のアンパンを仕入れて再出発となりました。 そんなこ
んなで・・・気を付けて下さい。 島内では諦めるか、とんでもない高い買い物になるかしかないようです。 コンビニ
? とんでもない。 もし350mlの缶ビールが230円で売られていたら、いかに宮島ビールといえども500円で
は見向きもされない。 ここは島全体が運命共同体なのです。 競争原理は働いていません。 でも素朴な疑問なのです
が、島の人達はビールを飲まんのかねぇ。                                  ・

『大元コース』の詳述は避けます。 5月31日の『弥山登山・ジム友・若いお嬢さん』で詳しく紹介しました。 ただ
登り口の看板に『マムシに注意・噛まれたらすぐに119番』と朱書してありました。 これからいよいよ危険なシーズ
ンに入ります。 Mr.Texanに「もしサイドワインダーに出会ったらどうする?」と聞いてみました。 「すぐに
逃げる。」と聞いて笑いましたが、それにしては彼はいつもスニーカーに短パンなのです。 そりゃあ、幾ら何でも拙い
で。 poisonous snakeがいることは前々からレクチュアーしているでしょう。          ・

私はいつも登山靴・長袖・長ズボンで、とくにこれからの時期にはひざ下にスパッツを巻いておきます。 これで完璧に
防御できる訳ではありませんが、ズボンとの間隙がかなりの確率で助けになってくれるはずです。 滅多に出会うもので
はありませんが、落ち葉と同化すると気付かないこともあるでしょう。 装備の基本は守った方がよさそうです。  ・

で『アレ』のことです。 私は今までこのことを知らず、恥ずかしながらMr.Texanから教えられました。 『風
吹岩』というものがあるのです。 確か15町と16町との間、登山道の右側に大きな岩があり、地際の洞から冷気が噴
出しています。 周りが無風状態でも、何故かゴウゴウと冷気が吹き出してきます。 エアコンの吹き出し口に立ってい
るような冷気で、瞬く間に汗が冷えていきます。                               ・

 

従って谷筋の冷気の通り道でもないようです。 Mr.Texanは「地下水で冷やされた空気が吹きあげてくるのだ」
といいます。 そうだとしても冷気を押し出す力がなくては。 この地下にはきっと何か大きな仕組みがあるに違いあり
ません。 どこか怪しい『弥山の七不思議』よりは、よほど説得力があります。 「もし日本に住むとしたら、便利は悪
いけどここにしたい」とMr.Texanがいいます。 あのねぇ、ここは世界遺産だぜ。            ・

もう1つ紹介します。 『大元コース』の垰から『駒ヶ林』の登り口の中間辺りに庇のように登山道を覆っている大岩が
あります。 それが登山道に面した小岩に微妙に支えられています。 「Mr.Texan、弥山頂上の『くぐり岩』と
これとではどちらが怖いかね。」と尋ねると、「そりゃぁこちら。 支えている岩がhas separatedだよ。
かなり怖い。」といいます。 そう思いながら改めて眺めてみると、これは本当に怖い。 あなたは雨宿りができますで
しょうか? 今度写真を撮ってきて紹介します。                               ・

『仁王門』まで下ると、外国人のカップルが地図を眺めながら思案しています。 「大元コースならこちらですよ。」と
お教えすると男性から確か「サンキュー」と返ってきたと思うのですが、女性に「でも石段が多くてかなりハードですよ
。」と説明するとstone stepsがちょっと聞き取れなかったみたいで、足元を示しながら2・3度言い直しま
した。 それで理解して頂けたようなのですが・・・・                            ・

後でMr.Texanがいいます。 「Masato、foreignerがみんな英語を話せるわけじゃないんだぜ。
戸惑っていただろう。」 そういわれてみると女性の方は顔つきがスパニッシュ系だったかなぁ? ガイドを依頼してく
る人は皆さん英語が堪能でいらっしゃるので、つい皆さんに英語が通じると思い込んでいました。         ・

弥山本堂に到着すると今日も沢山のforerignerで溢れていました。 本当に凄いです。 「Wow! a l
ot of foreign people!」と呟いたら、またまたMr.Texanにたしなめられました。 「そ
ういう言い方はrudeだぜ。」「仮にお前が外国に行っていて、日本人が多いなぁ!と言われたらどう思うか?」とい
います。 「そうかなぁ、別にrudeとは思わないけどなぁ。」 この辺りはちょっと捉え方として理解できないとこ
ろです。 forerignerという言い方に不快感を示す外国の方もおられるようですから。 受け止めかたの問題
なのですかねぇ。                                             ・

「さてどこを下ろうか?」 今日はまだ下りのルートを決めていなかったのです。 「『もみじ谷コース』も『大聖院コ
ース』も石段が多くて嫌だ。 でも『博奕尾コース』は長すぎてもっと嫌だ。」とMr.Texanが駄々をこねます。

「ならばここしかないではないか。 でもここは基本的にご法度だぜ。」 実を言えば途中で道を間違えて谷方面に50
mほど下ってしまいました。 すぐに気付いて引き返しましたが、こういう脇道があるので、「できるだけオフィシャル
ルートを歩いて下さい。 他のルートを歩いていけない訳ではありませんが、捜索に出ることが年に数回あります。 仮
に歩くとすれば自己責任でお願いします。」と観光協会はいっています。( 前回も同じことを述べています。)  ・

港まで戻ってコインロッカーから着替えを引き出し、正面のホテルの展望浴場で汗を流しました。 バスタオル付きで8
70円、「これなら相場だなぁ」と思いつつ、ゆっくりとお湯に身を沈め疲れを癒しました。           ・



























7月18日



『駒ヶ林』経由で霊火堂まで登りました

once a weekのペースで登れたらと思っているのですが、諸事情これあり、結局once a month・
or lessになってしまっています。 前回が誕生日の前日でしたからもう2か月が近くなってしまいました。 台
風一過という訳でもないですが、今回は昨夜から少々気合が入っていました。 早朝から洗濯物をベランダに干し、身支
度を調えて出かけました。                                         ・

先ずは我が家から宮島口まで歩きます。 どれくらいあるでしょうか、3キロ半? 男子駅伝の3区、終盤に坂を上り始
めた辺りから歩きますからそれくらいはあるでしょう。 今度車で走ってみようと思います。 さて心積もりとしては、
久しぶりですから安直に『大聖院コース』を登り同コースを下るように考えていました。             ・

ところが心変わり。 今日は山なみがとても綺麗にみえました。 とくに駒ヶ林の山頂辺りは緑深く、いつになく近くに
見えました。 そこで「やってみるか!」と駒ヶ林への直攀ルートを試みることにしました。 おそらく弥山登山では最
もハードなコースだと思います。 これでもか、これでもかという感じですね。 特に最後の登り、女神さまの鼻孔の辺
りは木の根を手掛かりに岩をよじ登る厳しさになります。                           ・

このコースは宮島観光協会が推奨する『モデルコース』ではありません。 ご存知のように弥山登山には3つのオフィシ
ャル・コースがあります。 北側から『もみじ谷コース』『大聖院コース』『大元コース』です。 これらのコースはよ
く整備されていて迷い込むような脇道もなく安全なコースとされています。                   ・

しかし、それ以外にもいくつかの尾根筋ルートがあり、中には好んでこうしたルートを歩く人もいます。 私もその1人
かも知れません。 ただ、尾根筋ルートは獣道のようなものですし、脇道もあって多少の危険を伴います。 従って観光
協会としては「安全なオフィシャル・コースをお勧めします。 もしそれ以外のコースを登る場合は自己責任でお願いし
ます。」という立場です。 「たかだかこれくらいの山で」と思われるかもしれませんが、年に何人かはsomeone
lost their way and wandered into a strange placeといったこと
が起こっています。                                            ・

webにはこのコースを詳しく紹介したものもありますが、そうしたこともあってルートの詳しい紹介は避けたいと思い
ます。 ただルートの特徴的なところだけを紹介するとこんなところです。 登り口から厳島神社の絶景が楽しめます。
(写真左) 時に背を覆うようなブッシュがあります。(写真中) 頂上にでるといきなりこの景色が目に飛び込んでき
ます。(写真右) この他にも頂上近くに危険ポイントが何か所かあるのですが、もうヘロヘロ状態で写真を撮ることさ
え忘れてしまいました。                                          ・

     

我ながらこの顎を出した姿は情けないと思い、山頂に分け入る辺りで呼吸を整え、背筋を伸ばして登り切りました。 で
も山頂に人影はありませんでした。 まあ、私のプライドですかね、と考えていたところにofficial cour
se側から若い男女が登ってみえました。 フランスからやってきて「東京の電子機器メーカーで働き始めて10か月に
なる」という若い女性、その弟、そして彼のガールフレンドでした。 彼女は日本語はまだまだ片言でしたが、流暢な英
語を話されました。                                            ・

暫く話してお別れし、仁王門まで下って弥山を目指しました。 御山神社別れで外国人ご夫妻にルートをアドバイスし、
水掛け地蔵前を横切って霊火堂に至りました。 そして例により霊火の脇に座って暫く『菩薩様』と話しました。 ここ
に座っていると沢山の人がお参りにきます。 そして、「茶釜のお湯を飲んでもいいのか?」とか「蓋は勝手に動かして
いいのか?」などと尋ねられます。 もう寺守のようなものです。 服装こそ違いますが、ここにこうしてじっと座って
いればそのように思われても不思議はないでしょう。                             ・

下りも予定変更で『もみじ谷コース」を下りました。 膝も相当に固くなっています。 石段に耐えて『もみじ谷』まで
下ったとき、ヘナヘナとベンチに腰掛けてしまいました。 でも少し休むと再びスタスタと歩けるのは、まだまだ捨てた
ものではないという証拠でしょうか。 しかし、今回は後遺症の予感がします。                 ・










































5月31日



弥山登山・『ジム友』『若いお嬢さん』

『ジム友』から「久しぶりに弥山に登ってみたい。」と同行を依頼されていました。 ところが、私のボランティアガイ
ドがあったり、ギターのレッスンがあったり、何とか暇を見つけると『ジム友』の都合が悪いというすれ違いが続いて延
び延びになっていました。                                         ・

今朝になって私のスケジュールが突然飛びましたので、「70歳最後の1日、弥山に登って『菩薩様』に合ってこよう」
と思い立ちました。 そこで、「こんなに急では申し訳ないが・・・」と思いつつ『ジム友』に連絡してみると「いくよ
!」と二つ返事。 急遽一緒に登ることになりました。                            ・

随分遅かったですが、11時に宮島口フェリー乗り場で待ち合わせ、簡単なお弁当を仕入れてフェリーに乗りました。・
船中で弥山を見上げながら、「どうでしょう、大元コースを登りませんか? 少し長いですが静かで、自然豊かで原生林
の雰囲気が味わえます。」と提案すると即座に同意、町屋通りから厳島神社裏を抜けて大元公園に向かいました。  ・

大元公園に入ったところで案内板を眺めていた若い女性に出会いました。 「登りますか?」と声を掛けると、「えぇ!
」と頷き、中腹まで前になったり後ろになったりしながら登っていきます。 初めての弥山で、しかも一番マイナーなコ
ースを選んだことに不安があったらしく、私たちを意識しながら登って行くように見えました。          ・

私は『ジム友』が気になり、「ペースはいいですか?」「しんどくなったら遠慮なく言ってください。」と声をかけては
後ろを振り向きます。 脚がもつれる様子があると休憩をとって水を飲んで頂きました。 この『ジム友』は私より1つ
年上ですが、近々の大会でも1500mと800mを泳ぐ猛者で、小柄ではありますがしっかりした体躯の持ち主です。
とはいえ数十年ぶりの登山ということでしたのでここはやはり気配りが不可欠です。               ・

15町まで登ったところで再び先行していた女性に追いつきました。 話しかけると「凄く綺麗な水色の鳥を見ました。
」と興奮気味に話してくれました。 そこで暫く休んでお話を伺いました。 東京から単身赴任でこちらに来て会社の研
修を受けているのだそうです。 「折角宮島に来たので是非頂上まで登ってみたい。」と思い立ったようでした。 でも
地図がイラストの観光マップでは少し心もとないように思いました。                      ・

「それならご案内しましょう。 これから暫く厳しい登りが続きます。 峠まで登ったら『絶景ポイント』で一休みして
『駒ヶ林』に登りましょう。 一旦下って脇道を登ります。 ここは知る人ぞ知る『絶景ポイントですよ。」と話すと、
「是非お願いします。」と同行することになりました。                            ・

『駒ヶ林』は『宮島の戦い』の古戦場で、頂上はほぼ平たい一枚岩ですが、前後左右が切り立っていて難攻不落の要害に
なっています。 正面に弥山を望み、右に四国方面、左に廿日市方面の海を見下ろしています。 暫く絶景を眺めて頂き
記念の写真も撮っていよいよ『弥山』に向かいました。                            ・

 

ところが下りにかかって『ジム友』が膝に異変を訴え始めました。 「登りは大丈夫じゃが、下りは堪える。」といいま
す。 「全体重を膝に掛けないでください。 高い石段は身体を斜めにして、ゆっくりと足をついてください。 膝は開
き気味にして体重を脇にそらすように歩いてください。」とアドバイスしながら下り、『仁王門』に至って再び登り始め
ます。                                                  ・

途中、『クジラ岩』の上から原生林の向こうに広がる阿多田島方面を眺めて頂き、『水掛け地蔵』を経て『弥山本堂に至
りました。 『霊火堂』ではお二人に茶釜のお湯を汲んで元気を付けて頂きました。 いつもは脇の椅子に座って『菩薩
様』と話すだけですが、今日は私も一緒にお湯を頂いてみました。 たぎっていると思っていましたが、意外とぬるめで
した。                                                  ・

 

頂上に至って『panorama view』を堪能して頂きました。 お二人ともこの美しさに感嘆の声をあげ暫く見
入っておられました。 それから一段下の休憩所に座り、食事を採りながら下りのルートを相談ました。 『ジム友』は
とても歩けそうにないので、獅子岩まで下ってロープウェーで下りて頂くことにし、私は女性を『博奕尾ルート』にご案
内することになりました。 まぁ信頼できると見たのでしょう、『絶景が楽しめます。』とお話しすると喜んで同行して
下さいました。                                              ・

頂上から下り始めたとき『ジム友』に私のステッキをお貸ししました。 ステッキをうまく使うと膝への負荷を和らげる
ことができます。 それと石段の端には比較的段差が少ないところ(浸食されずに残っている)があります。 たとえ余
計に2〜3ステップを踏んでもこの方が負担は軽くなります。 先行し、そういう場所をお示ししながら下っていきまし
た。                                                   ・

『博奕尾ルート』にはロープウェーの終着駅近辺から入ります。 『ジム友』をターミナルまでお届けし、私と女性は尾
根筋に入っていきました。 前もって「脚は大丈夫ですか?」と尋ねておいて歩き始めます。 オフィシャル・ルートの
ような石段はありませんが、砂礫が多くて滑りやすい場所、木の根っこが段差を作っているところ、かなりハードな崖な
どを登り下りすることになります。 距離も長いですし決して楽なルートとは言えません。            ・

歩き始めてすぐに『絶景ポイント』があります。 眼下に『絵の島』『奈佐美島』、その向こうに『岸根鼻』を望んでい
ます。 少しモヤが晴れて綺麗に見渡せました。 ただ、そこに至るまでにかなり危険な場所があります。 背を覆って
大きな岩があり、その脇を攀じ登る危険ポイントです。 もし転落すれば谷底に真っ逆さまです。 足場を決めて松の根
につかまりながら慎重に登って頂きました。 ご一緒する人に怪我をさせてはならぬと気を遣います。       ・

『包が浦』別れに来た時娘から電話がありました。 『居酒屋』で1日早い誕生パーティーをしてくれるそうです。 「
明日が71歳の誕生日なんです。 家族が全員でお祝いをしてくれるそうです。」とお話しすると、「奇遇です。 私も
6月1日が誕生日なんです。 偶然出会ってご一緒させていただいたことにも、同じ誕生日だったことにも、不思議な縁
を感じます。」と驚かれ、それ以降は随分打ち解けられてお仕事のことなどを楽しく話しながら下りました。    ・

『包が浦遊歩道』の休憩所から厳島神社、大鳥居を眺めることができます。 ここも『絶景ポイント』の一つと言ってよ
いでしょう。 この辺りから『毛利軍』が『陶軍本陣』を逆落としに急襲しました。 そのような宮島の歴史もご紹介し
ながら最後の一息を下りました。                                      ・

『もみじ谷』まで下って、「折角ですから一緒に写真を撮りませんか?」と彼女に誘われ、『もみじ橋』で一緒に写真に
おさまりました。 そして「厳島神社を見学して帰ります。」という彼女と神社の裏手でお別れしました。 今日はこん
な登山でした。                                              ・

夕方になって『ジム友』に電話で様子をうかがいました。 「うん! 大丈夫だよ」と明るい声が戻ってきました。 ・



































































5月 4日



『霊火堂』にお参り登山

今朝『菩薩様』の夢を見ました。 何故なんでしょうね、もう四半世紀も前のことなのに、このところ見る夢は舞台がい
つも会社のアパートなのです。 まあ、そこで培われた人間関係もないではありませんが、夢の内容はその人たちと関わ
りがないものばかりです。                                         ・

その夢のことです。 『菩薩様』が押し入れから古びた衣装箱を持ち出してきて、その中から風呂敷包を3こ取り出しま
した。 そして、「これが『あの人』の遺骨だよ」というのです。 『あの人』とは、私たちが尊敬し、親とも慕い、ま
た愛されもした方でした。 そういえば、『あの人』がお亡くなりになったのは、確か私たちがそのアパートに移り住ん
だ頃でした。                                               ・

今になって思えば、様々の事情があって『あの人』はお寂しいうちにお亡くなりになったのだろうと思います。 私たち
を愛して下さったのは、或はその寂しさゆえだったのでしょう。 とても悲しいことでした。 お亡くなりになって暫く
は田舎に帰るたびに『菩薩様』と一緒にお墓参りをしてきましたが、いつの頃からかそれは途絶えました。 私たちが故
郷を捨てた頃だったろうと思います。 奥様もお亡くなりになり、ぷっつりと縁が途絶えました。         ・

「もうお墓におさめてあげないといけんね」と『菩薩様』がいいます。 「そうだねぇ、それなら私たちのお墓に一緒に
入れるか、お寺さんに尋ねてみよう。」と言っているところでこの夢は終わりました。 『菩薩様』が「不義理をしちゃ
ぁいけんよ」「寂しがっておられるよ」と言っているのだと思いました。                    ・

次に田舎に帰ったら是非お参りをしてこよう、そう思うとともに、今日は『菩薩様』の誕生日、きっと彼女が待っている
のだと感じて、
どうしても『霊火堂』に行ってやらなければと思ったのでした。                 ・

『霊火堂』は弥山の中腹、といっても殆ど頂上近くになりますが、弥山本堂、大日堂、三鬼堂とともにいわば弥山の聖地
を形作っていて、人々の信仰を集めています。 言い伝えによれば806年に空海がこの地で100日間の苦行を積まれ
て開山したそうで、その時に使った火がこの『霊火堂』で今も燃え続けています。                ・

宗派は違いますが、私もこの『霊火堂』には何か感じるものがあり、弥山に登るたびにお参りをしてきました。 特に何
かをお願いするということはありませんでしたが、霊火を眺めながらここに座っていると心が安らぐのでした。 ここで
なら『菩薩様』に会えるかもしれない・・・そう思って「寂しくなったら『霊火堂』で会おうね」と『菩薩様』と約束を
しその後もこのようにお参りを続けています。                                ・

   

今日は『大元コース』を登りました。 ほとんど『大元公園』の近くで下ってこられた男女3人の熟年さんに出会い、中
間まで登ったところで1人の青年とすれ違いましたが、それ以降は誰も見かけず、真に静かな登山でした。 カラスの鳴
き声が一層静けさを際立たせていました。 ただ、『大聖院コース』との合流点、『仁王門』以降は賑やかな歩きになり
ました。 『霊火堂』では30分ばかり『菩薩様』と話し、頂上には登らず『大聖院コース』を下りました。    ・






































4月25日


『鈴が峰』登山

もう随分時を経ましたが、元の会社を退職した後、関連会社に再就職しそこで10年を過ごしました。 その10年間、
私は窓際のカウンターでコーヒーを啜りながら毎日この山を見てきました。 『エニシダ』が帯をなして黄色く咲き誇る
ころ、若葉が山ごとすっぽりと覆い尽くします。 やがて緑深く逞しい山容となり、そして朱や黄色に染まるころ、山道
は次第に鮮明になっていきました。                                     ・

このサイクルを10年間、ずっと同じ窓から見てきました。 枯山になると右に左にうごめく人の姿が認められるように
なりました。 頂上辺りでは蟻とも思えぬ小さなものがきらりと光りながら移動していきます。 そのような光景を眺め
「いつかは登ってみたいものだ」と思いながら10年を過ごしました。                     ・

たかだか300メートル余りの小山ですから、思い立てばいつでも登れたはずなのに、何故かそうはしませんでした。・
『菩薩様』が逝ったあと、弥山に登るようになるまで登山の楽しみにそれほど関心がなかったのかも知れません。 とも
かく、その念願を果たしてきました。 昨日25日のことでした。                       ・

このところずっと単独行動が続いています。 Mr.Texanは宇部に長期出張していますし、『チヌ夢想氏』は私な
ど思いもよらない遥かに高いレベルの登山をしますので声を掛けるにも気が引けます。 もう一方同行を約束している方
がおられますが、私が暫くジムから遠ざかっているためお目にかかる機会がありません。 (今週あたりジムに出掛けて
みようと思っていますので何か約束ができるかも知れません。)                        ・

従って、今回も単独行動になりました。 電車で『商工センター入口』まで行き、まっすぐ登って鈴が峰西交差点から団
地方面に入り、更に方向を変えて『井口台中学校』まで登ると、そこが『憩いの森登山口』です。 登り口に『西区やま
なみハイキングコース』の案内があります。 このコースは『鈴が峰山頂』を経由し、峰々を歩いて先日Mr.Texs
anと一緒に歩いたこのコースの始点(終点)三滝山に至ります。                       ・

 

暫く登るとコースは二股に分かれます。 左にとれば『ヒヨドリ団地コース』、右に進めば『ウグイス団地コース』です
が、ここはyour choice(写真左)です。 頂上まで300mの地点に水飲み場があり(写真中)、その近く
でいずれ合流(写真右)します。 全般になだらかな斜面を登り、歩く距離も短いですから、登山というよりはハイキン
グと言った方がよいでしょう。 老婦人のグループや子供連れが次々と下ってみえました。            ・

 

もう少し登ると岩屋の中に小さな祠があり(写真左)、『ぼけ封じ地蔵』が祀ってありました。 「ここまで登ってお祈
りできる人なら痴呆にはならんだろう」とおかしく思いました。 そしてすぐに東峰頂上に至ります。 標高312m、
眼下に安芸小富士を望み商工センターを俯瞰(写真右)します。 長い間想像していた通りのいい景色でした。   ・

   

暫く景色を眺め、予定通り西峰(320.6m)に縦走し、五日市方面に下りました。 下りも比較的なだらかで、距離
はありますが歩きやすいコースでした。 下りた地点は八幡東4丁目の交差点でした。 更に造幣局脇を経て約4kmを
歩き『楽々園』から電車に乗りました。                                   ・













































4月18日


今日は『もみじ谷コース』

18日に弥山に登ってきました。 『菩薩様』に会いに行こう、それに「明日の為に今日を精一杯生きなきゃ。 健康維
持に手は抜けないもんな。」、こんなことを考えながら準備を始めました。 お昼を食べて、我が家から宮島口まで歩き
ましたので、『もみじ谷』を登り始めたのはもう2時前でした。                        ・

『もみじ橋』を渡って『もみじ谷』に入ると正面に小さな社があります。 これが『四宮神社』で、ご祭神は『加具土神
』、商売繁盛や農業にご利益があるといわれています。 この辺りを散策される外国の方は結構多いです。 この社の前
で足を止めて写真撮影をする人をよく見かけます。 深い木立に囲まれていますし、素朴な佇まいに惹かれるのかも知れ
ません。                                                 ・

 

『もみじ谷』コースは『大聖院コース』とともに最もポピュラーな登山道です。 外国の方も多いですし、小さな子供た
ちもよく登っていきます。 ただ石段は自然石を利用したものも多く、5丁目くらいから暫く悪路が続きますので注意が
必要です。(写真左) まあ、そこがワイルドでいいのかも知れません。 峠が近くなると坂道は一気に急になり、長い
石段が続きます。(写真中) このあたりまで登ると木立の間に眺望があります。 そして峠に至れば、そこが『ロープ
ウェー終点』からの合流点となります。(写真右)                              ・

     

峠から概ね半分を登ったところに絶景ポイントがあります。 江田島、小黒神島を望んでいます。 全般によく整備され
たコンクリートの道(もちろん石段はあります)が続き、歩きやすいコースです。 ただ1か所地崩れで登山道が失われ
た場所があって、木の根っこを跨がなければいけませんから足元に注意してください。 実はその辺りが絶景ポイントな
のです。                                                 ・

弥山本堂に到着したら、まず『霊火堂』に入り霊的な雰囲気に触れてください。 茶釜には湯がたぎっていますから喉を
潤すことができます。 健康にもご利益があると聞きます。 私はこの日も脇の椅子に座って暫く『菩薩様』とお話をし
ました。 まぁ、その為に弥山に登るのでもあります。 今日は霊火が勢いよく燃えていました。         ・

 

今日は『三鬼堂』側から登り、頂上を通過して『大日堂』前を経由し『大聖院コース』を下りました。 展望台から更に
下ったところで老婦人に出会いました。 荒い息でヨタヨタと登ってこられ、疲れ切った表情で杖にすがり息を入れてお
られました。 娘さんでしょうか、介添えするようについておられましたので、「too steep」と声を掛けたら
にっこりとされていました。 さて、あのまま頂上を目指されたでしょうか。                  ・

今日は比較的楽なコースを歩きましたのでまだ余力がありました。 そこで宮島口から地御前まで国道筋を歩いて帰りま
した。 行きも歩いていましたので、トータルで25000歩ほど歩いていました。            
   ・








































4月12日




今日は『大元コース』

「ボランティアガイドが終わったら登りたい。 天気もよさそうだし11日の土曜日がいいかなぁ」と思っていました。
ところが10日のギターレッスンの後で、我が家での復習がどうしても捗らないのです。 全く集中できないし、長続き
もしません。 「こりゃぁ疲れたな」と気づきました。                            ・

8日、9日とも2万歩近くは歩いていましたし、9日には獅子岩から弥山までの山歩きもありました。 気疲れもありま
したね。 ご夫妻はお互いにフランス語で話していて、時に英語が飛んできますからいつも構えておかなければいけませ
ん。 これって結構疲れます。 そんなことで早々と『土曜日は終日休養』に当てて、今日登ってきたのでした。  ・

今回は『大元コース』を登りました。 日曜日でもありますし、行きのフェリーの中にはそれらしい出で立ちの人が『わ
んさか』いました。 それが老婦人の集団ともなると一層かしましい。 そもそも『ゆっくりと山の気に浸りたい』流儀
なので喧騒を避け、最も人気のないコースを選びました。 話し声もなく、四周は静寂に包まれていて、せせらぎの音や
澄んだ鶯の鳴き声が一層静寂を際立たせていました。                             ・

このコースは峠に登りつくまで眺望というものが全くありません。 ただ鬱蒼とした木立と木漏れ日と無秩序に散乱した
大石、小石が延々と続いていきます。 先日の雨でしっとりと濡れた小道もなかなかいいですし、それに3つのオフィシ
ャルコースの中では最も原生林らしい雰囲気があります。 5町目くらいからぼつぼつ石段が始まります。 緩やかな傾
斜が暫く続いては石段を登る繰り返しになるのですが、登るほどに次第に石段の数が増えて平坦な部分は少なくなってき
ます。                                                  ・

今日もゆっくりとイーブンペースで登っていきました。 12町目まで登った時、石段の向こうに淡いピンクの『つつじ
』を見ました。 印象的だったので写真を撮りましたが、逆光でそれと分かりません。 大きな幹の左側です。 まぁ、
登山道の雰囲気は味わっていただけるかと思います。 14町目まで来たときアクシデントがありました。 石段で転倒
して3段ほど転げ落ちてしまいました。 躓いた訳でもなく、滑った訳でもない、何だか引き倒されたように転んでしま
いました。 この辺りには血塗られた陶一族の怨霊が無念の思いで彷徨っているでしょうから、或はガイドの中で毛利一
族に触れることの多い私に祟りがあったのかも知れません。                          ・
 

17町目まで登ると『駒ヶ林』の切り立った岩肌に出会います。 100mにも及ぶ大絶壁ですから、このど迫力には圧
倒されます。 ちなみに遠くから宮島の稜線を眺めると、女神様が仰向けに寝ているお顔に見えます。 何故女神様かと
いうと、少し右にちゃんと『おっぱい』に相当する小山があって、それを証明しています。 そう思ってこの小山を見る
と妙になまめかしく見えますがいかがでしょうか。 従って『観音様』のお姿だというのは間違いです。 『観音像』の
お顔をご覧になればわかりますが、ちゃんと口髭を蓄えておられます。 胸の豊かな『観音様』はいらっしゃいません。
それはともかく、弥山が額、大聖院登山道の地滑りの跡辺りが目、駒ヶ林が鼻と思って見てください。 この絶壁の部分
はちょうど鼻口にあたります。                                       ・

 

そして18町目で峠に至り、初めて眺望が開けます。 16町目以降は石段に次ぐ石段で、かなり厳しい登りになります
が、峠からはほぼ下って『仁王門』に至ります。 『大元公園』から登り始めて、この峠までがちょうど1時間でした。
峠からほんの僅か下ったところに絶景ポイントがあります。 この写真では余りはっきりしませんが、稜線の交点に三角
形の小島が見えます。 これがチヌ釣りのメッカとして有名な『小黒神島』です。                ・

   

下りきるとそこが『仁王門』です。 ここは十字路になっていて、左手が『大聖院コース』、右手が『奥之院』方面、『
仁王門』を潜れば弥山に至ります。 従ってここが『大元コース』と『大聖院コース』の合流点となります。    ・

 

御山神社別れの手前に絶景ポイントがあります。 登山道の右に大きな岩が横たわっていて、通称『クジラ岩』と呼ばれ
ているそうです。 そう言われてみればそのような。 その岩の上から眺める景色が素晴らしいのですが、勾配がきつく
足場も悪くて登るときちょっと危険を伴います。 無理はなさらないで下さい。 落ちたら千尋の谷底です。    ・

 

これが『水子地蔵』です。 以前このブログでもご紹介した『タフガイ』でちょっとした話題になりました。 地蔵堂の
右手に湧き水があります。 この湧き水を掬ってお地蔵さまに掛けながら供養をするのだそうです。        ・

 

本堂・霊火堂に至り、『大日堂』側から頂上を目指すと、まずこの長い石段(写真左)を登ります。 数えてみたら74
段ありました。 たかが74段ですが、ここまで飽き飽きするほど石段を踏んできた脚には、されど74段です。 更に
登ると左手に『弥山七不思議』の一つ『干満岩』(写真中)が現れます。 写真中央の小さな『穴』に塩分を含んだ水が
たまっていて、潮の満ち引きに合わせて水位が変わるのだそうです。 確かめてみたことはありませんけど。 そしてこ
こ(写真右)を登りきれば頂上です。                                    ・

     

頂上はこんな具合でした。 今日も多かったですよ。 展望台2階の休憩所には座るところもないほど人が溢れていまし
た。 ちょうど昼時でしたから、みなさんお弁当を楽しまれていました。 そして『霊火堂』まで下り、『菩薩様』と暫
く話しました。 いつになく火の勢いが強く、堂内は目が痛くなるほど煙っていました。             ・


   

さて下りですが、石段は避けたいという気持ちが自然にこちらに導いたようです。 『獅子岩』まで下り、そこから『博
打尾』ルートに入りました。 『もみじ谷ルート』の東側の尾根を迂回します。 で、このルートが楽かというと必ずし
もそうではありません。 砂礫に脚を取られますし、木の根っこが自然の段差を作っています。 深くえぐれたところも
多く、決して歩きやすい道ではありません。 しかし、絶景が楽しめます。 それがお好きでこのコースを辿る人も少な
くないようです。 写真左は江田島方面です。 『かや谷』と『獅子岩』の中間辺りから眺めました。 写真右は厳島神
社を望んでいます。 包ケ浦自然歩道の休憩所辺りから望めます。                       ・

   

『大元公園』から『峠』までがちょうど1時間、そこから『仁王門』を経て弥山頂上までが20分と、極めて標準的な歩
きでした。 この間、一度も休憩を取らず歩き続けました。 下りは時間を測っていません。 水は500mlのボトル
を2本、スポーツ飲料を1本、それに一口大のアンパン4個を持参しました。 2本の水は手付かずでした。    ・



































3月26日



今日の動機

致命的なものではありませんが、前回山行の無理が祟って腰痛が再発しました。 そのさなかに原因不明のアレルギー症
状に悩まされ、次回ボランティアガイドのプレッシャーに追い立てられて暫くジム通いから遠ざかっていたところ、また
また『測るだけダイエット』のグラフがうなぎ登りになってしまいました。 これはいかん。 そういうくだらない動機
で弥山に登ってきました。                                         ・

もっともそれだけではなくて、次回ガイドには獅子岩から弥山山頂までのご案内を含んでいますし、シーフードの苦手な
お客様にどこで何を召し上がっていただくか、また伝統的な家屋で抹茶を経験して頂きたいのでその場所探し、木曜日が
定休日となっている店の確認などガイドに関連した調査も併せて行いました。 自分の目で確かめておくことは、その場
になって慌てない最低限の準備です。                                    ・


今日は『大聖院ルート』

暖かいいい日よりでした。 今日は前日から決めていたように『大聖院ルート』を登ることにしました。 このルートは
石段が多い難所ではありますが、奥之院への参拝ルートでもあり比較的よく整備されています。 仁王門までのちょうど
中間あたりに休憩所が設けられていて、ここまで登れば後は比較的楽になります。                ・

この休憩所から眺める景色がまた絶景で、息を入れている間にそれまでの疲れをすっかり忘れてしまいます。 眼下に厳
島神社、大鳥居、千畳閣、五重塔、つまり宮島のメジャーな観光スポットの全容を望むことができます。 今日はその様
子を写真におさめてきましたのでご覧になってください。                           ・

 

膝に不安を抱えていましたので無理をせず、一歩一歩ゆっくりと登りここに至りました。 それから不作法ですがここで
アンダーシャツを脱ぎます。 気候が読みにくい時期ですからヒートテックの上にシャツを着ていたのですが、ここまで
登ると流石に汗ばみます。 ウインドブレーカーも脱ぎ捨てて頂上を目指しました。               ・

仁王門の近くまで登ったとき、下ってこられた外国からの老夫婦に出会いました。 ご主人が奥様の手を取って労わるよ
うに下ってこられました。 ご主人は見たところ70歳を超え、奥様もそれに近いと見ました。 ゆっくりゆっくりと下
ってこられたお2人に思わず「Are you OK?」と声をかけたところ、「この道が一番いいだろうか?」と尋ね
られました。                                               ・

ここまで下ってそう尋ねられるのはもはや相当に脚にきている証拠でしょう。 何れにしても難しい選択ではありますが
「一旦お戻りになってケーブルカーに乗られるのが一番いいと思います。 ここからの道は石段が多く、坂道も急になり
ます。」とお勧めしました。 あの奥様のご様子では下りきれたとしても膝を痛めてしまう心配がありました。   ・

しかしご主人はきっぱりと「私たちはこの道を歩くことにします」と下って行かれました。 後でMr.Texanにそ
のことを話すと、「彼らはプライドが高いからなぁ」といっていました。 確かに。 私の心配をよそに毅然とそういわ
れましたからね。 でもきっと、後悔されたと思います。 何とかたどり着けたとしても、翌日からの旅を続けられたか
どうか。 そのことがズーッ!と心に残り続けました。                            ・

山頂で暫く景色を眺め、霊火堂まで下って『菩薩様』と暫く話し、『もみじ谷』ルートを下りました。 一番ポピュラー
な登山道で、取りつきも分かりやすいですからこのルートを登る人は多いです。 ただ、『大聖院ルート』に比べると石
段の整備が不十分で登りにも下りにも難儀をします。 こういうコースは歩き方にも工夫がいります。 斜めに歩いたり
蟹歩きのようにゆっくりと下ったりして全体重を膝にかけないことが大切です。 こんなことに心がけながら、何とか膝
痛を再発させることもなく今日の行程を終えました。                             ・